設計の思い
誰のために、
何のために
設計するのか?
設計課関根 幸代Sachiyo Sekine
緑が引き立てる街並みと住まい
外観デザインは、そこに住む人のためのものであると同時に、街のものでもあります。長い時間をかけてつくられてきた街並みを壊すようなものであってはなりません。グランプラスはこれまでの建売分譲住宅の考え方に疑問を抱き、人々の暮らしがもっと豊かになる住まいを提案しています。私たちはできる限り木を植えます。緑は、住む人にも、前を歩く人にも、季節の訪れを告げながら心豊かな暮らしをお届けすることができます。いかに植栽のスペースを確保するか。その緑を引き継ぐ外観と室内空間をどうデザインするか、どのような景色の移り変わりを楽しめるのか――そのことをいつも考えています。
実際の暮らしを想像する
プランを考える際に、始めに自分とお客さまの暮らしを同じ視点で捉えるようにしています。
悩んだときは自分の子どもたちの姿を思い浮かべ、この間取りではどう行動するだろうか、
その時に私はどう動くのか。子どもの立場では、どのように見ていて欲しいだろうか。
親としてどう見守っていきたいだろうかを考えます。
自分たちがそこに住んでいる姿を想像し、自分であればどうするかという思いを形にすることで、
お客様にとっても暮らしやすい、居心地よく感じていただけるような住まいを設計しています。
デザインとは何だろう?
デザインという言葉には、アートのようなイメージや、飾り立てるテクニックのような響きがあります。しかし、デザインと芸術は別です。人とものが出会うところには、すべてデザインが介在します。その心地よいつながりをつくるのがデザインです。設計においてデザインとは、住まいのプロセスを考え抜くということです。そこに奇をてらうような奇抜さは必要ありません。例えば窓一つをとっても、どこにどのような大きさの窓を置くのか、私たちは考え抜きます。明るさを採るための窓と、景色を楽しむための窓を使い分けます。またソファーに座ったら窓から何が見えるのかなどの生活の一齣一齣を想像し、思い描いていきます。設計に携わる中で「デザインとは“愛”である」と言う考え方に出会い、常にそこで住まわれる方々の気持ちを考えるようになりました。それが居心地のよい空間づくりにつながるのだと思います。
ビジネスの発想を超えて
今の建売分譲住宅にデザインはありません。あるのはただ、いかに早く安く建て、売り切るかというビジネスの発想と敷地面積優先のボリューム優先主義だけです。その家を街並みとして毎日眺める近隣の人のことや、そこに住む人がどんな暮らしをして何を感じながら過ごすのか――そうしたことは最初から考えられていません。これでは新しい建売分譲住宅が建つたびに、街も暮らしも貧しくなっていく一方ではないでしょうか?
建売分譲住宅をしっかりとデザインする――そこから都市の街並みを少しずつでも変えていくことができると思っています。私たちの設計が、街のため、そこに暮らす人のためになっているかどうか、常にそれを問い返しながらデザインしていきたいと思っています。
設計課関根 幸代